【CNN要約】「いいから黙って株を買え」?ブラックロックCEOがAI格差に放つ、一風変わった処方箋|サクッと読める英文ビジネスニュース
Want to protect yourself from AI? Invest, says BlackRock’s Larry Fink|CNN|2026.03.24
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“Everybody should be able to make a great living. You don’t need a PhD in computer science to do so.”「誰もが良い暮らし(make a great living)をできるべきだが、そのためにコンピューターサイエンスの博士号(a PhD in computer science)が必要なわけじゃない」
世界最大の資産運用会社のブラックロック。そのCEOラリー・フィンク氏が、AIチップ大手エヌビディアのジェンスン・フアンCEOから言われた言葉だそうだ。
AIの進化によって、特に新人や若手のホワイトカラー(事務職)の仕事の需要が減る。このことはアメリカではもはや一般認識になっている。日本だと、企業が新卒の採用をだんだん減らしていくようなイメージだろう。
企業はAIへの代替が可能な「そこそこな」スキルの人に対してそれほど給料を払わなくなり、逆にAIモデルを提供する企業には高い利用料を払う。そうやって所得格差は広がっていく。
そんな中、一般人は「良い暮らし」をAIの波から守るためにはどうすればよいか。
AIの進化によって、特に新人や若手のホワイトカラー(事務職)の仕事の需要が減る。このことはアメリカではもはや一般認識になっている。日本だと、企業が新卒の採用をだんだん減らしていくようなイメージだろう。
企業はAIへの代替が可能な「そこそこな」スキルの人に対してそれほど給料を払わなくなり、逆にAIモデルを提供する企業には高い利用料を払う。そうやって所得格差は広がっていく。
そんな中、一般人は「良い暮らし」をAIの波から守るためにはどうすればよいか。
今回紹介する記事は、金融界のボスともいるフィンク氏が語ったある「対策」について伝えている。
ぜひ全文を読んで欲しい。
ぜひ全文を読んで欲しい。
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|AI ➡ 格差
Artificial intelligence could widen the problem of income inequality, said BlackRock CEO Larry Fink in his annual letter to shareholders.
And, while that might not be a particularly new point of view, his proposed solutions are not as typical.「AIは所得格差(income inequality)の問題を拡大させる可能性がある」
フィンク氏は株主宛ての年次書簡の中でこう指摘した。理由は冒頭で示した通りだ。
この指摘の中身自体は決して新しいものでも、独自性のあるものでもない。エントリーレベルの事務職の給料は下がっていく一方で、電気技師、配管工、建設業といったAIができない技術職は、逆に需要が高まるなんて言われている。
この指摘の中身自体は決して新しいものでも、独自性のあるものでもない。エントリーレベルの事務職の給料は下がっていく一方で、電気技師、配管工、建設業といったAIができない技術職は、逆に需要が高まるなんて言われている。
では、そういった「AIができない仕事」を目指すのが「AIから生活を守る」方法なのか。
フィンク氏が提案する解決策は一風変わっている(not as typical)。
フィンク氏が提案する解決策は一風変わっている(not as typical)。
格差を埋めるための彼の答えは、『株式市場に参加しろ』だ。
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|「いいから黙って投資しろ?」
Fink also said that with the disruption to society and the economy caused by AI, it’s more critical that a greater share of the population has access to investments in stocks to avoid the widening wealth gap.格差の拡大を避ける(to avoid the widening wealth gap)ためには、より多くの人々が株式投資にアクセスできるようにすることが極めて重要である、とフィンク氏は説く。
そりゃお前のポジショントークだろ、というのはそうなのだが、彼のロジックを追ってみるとなるほどと思われるところもある。一緒に見てみよう;
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|富の行き着く場所
“The vast majority of wealth has flowed to people who owned assets, not to people who earned most of their money by working,” he wrote.「富の大部分(the vast majority)は、資産を所有する人々(people who owned assets)に流れ込み、労働によって稼ぐ人々には流れてこなかった。」フィンク氏は書簡の中でこう始めた。
いわゆるトマ・ピケティの「r > g」の世界だ。「r」は資本収益率(株式・不動産などの運用益)は、経済成長率「g」(労働賃金の上昇)を上回ることを示した式で、フィンク氏も同じことを言っている。
さらに同氏は、「人々は自国の金融市場に投資したいと願っても、その手段を持っていないことが多い」とも付け加えた。いくら「貯蓄より投資」だNISAだと盛り上げようが、そのための種銭の捻出に苦労している人は現実的にいるのだ。これは世界共通だろう。
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“History suggests that transformative technologies create enormous value—and much of that value accrues to the companies that build and deploy them, and to the investors who own them,” he wrote.「歴史を振り返れば、革新的なテクノロジー(transformative technologies)は莫大な価値を生み出す」
フィンク氏は続ける。今のAIがその技術「革新」にあたるのは間違いないだろう。
そしてここが重要なのだが、「その価値の多くは、それらを構築・導入する企業と、それらを所有する投資家に蓄積される」という点だ。
そしてここが重要なのだが、「その価値の多くは、それらを構築・導入する企業と、それらを所有する投資家に蓄積される」という点だ。
価値を「所有する」側の投資家の方に回らないと、「富の大部分」の恩恵を受けることは無い、ということだ。
NISAガチ勢やFIREを目指す人たちにとっては、これ以上ない「神」ロジックだろう。
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|勝ち組側に回るには?
“For decades, many societies have equated success with a university degree and a white-collar path. As technology reshapes parts of that landscape, we need a broader conversation about opportunity, dignity, and the value of different kinds of work,” he said.なんだ結局投資かよ…で済ましてしまうとこの記事は薄っぺらい。寧ろ大事なのは、フィンク氏による教育への洞察だ。
「何十年もの間、多くの社会は『成功』を大学の学位(a university degree)やホワイトカラーのキャリア(a white-collar path)と結びつけてきた」
「テクノロジーがその風景を塗り替えつつある(reshapes parts of that landscape)今、私たちは機会(opportunity)、尊厳(dignitiy)、そして多様な仕事の価値について、より広範な議論を行う必要がある」
…という同氏の意見は示唆に富む。これまで誰もが信じた「無難な路線」は、名実ともに消えつつあると言うことなのだろう。
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今から20年も前になるが、オバマ元大統領は著作の中で「私たちはもっと多くのエンジニアや科学者、教師を必要としている。しかし、今のシステムは法律家や銀行家ばかりを生み出し、彼らに過剰な報酬を与えている」と指摘した。
その頃はMBA取得が成功のための「無難な路線」だった。その「路線」の先にある「安定みたいなものは、今やAIに脅かされつつある。
結局、競争に疲れた生身の人間に残るのは「実業」だろうか…
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