Reuters要約|大統領「関税?うちの奴らが払っとくから」アメリカ人「…」|サクッと読める英文ビジネスニュース



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“BILLIONS OF DOLLARS, LARGELY FROM COUNTRIES THAT HAVE TAKEN ADVANTAGE OF THE UNITED STATES FOR MANY YEARS, LAUGHING ALL THE WAY, WILL START FLOWING INTO THE USA,”
「長年アメリカを利用(have taken advantage of)し裏で嘲笑ってきた国々から、何十億ドルもの金が米国に流れ込み始めるだろう」

トランプ氏の昨年8月のポストだ。この人はいつも大文字だ。ポストされたのは、いわゆる「相互関税」が発動される直前だった。

トランプ関税。本人が言うようにそれは「外国」に払わせるはずだったが、今回紹介する記事の内容によれば、寧ろ払っているのはアメリカ国民だったようだ。

ぜひ全文を読んで欲しい。
 
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|9割自分持ち…


それによると、トランプ大統領が輸入品に課した関税の90%は、米国の消費者と企業が負担している(borne by)そうだ。

米国の輸入に対する平均関税率は2025年を通じて2.6%から13%にまで急上昇した。この関税は本来、大統領自身がツイートしたように、「米国を利用している」他国を罰するツールとして、さらには産業を国内に回帰させる(リショアリング)ためのメカニズムとして機能するはずだった。

現実はその9割は「自分の国」が払った、というのが今回のNY Fedよる報告だ。


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|関税ってそういうもの


詳しく見てみよう。この報告書の過去の調査によれば、アメリカの関税措置実施に対して「海外の輸出業者は価格を全く下げなかった」そうだ。

だとすると、アメリカでの輸入品や輸入原料は関税の分値上がりする。つまり「関税から輸入価格への転嫁(pass-through from tariffs into import prices)は100%」ということになり、輸入したアメリカ企業自身又は消費者自身が、その分だけ貧しくなって帳尻を合わせたということになる。

そもそも関税とは、輸入品を割高にして自国産品の競争力を相対的にブーストするためのものだ。大統領のツイートのように「何十億ドルもの金が米国に流れ込む」なんてのは違うのだ。

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  • 海外の輸出業者が負担するのはコストの5%に過ぎない
  • 米国の企業が利益率を削ることで輸入価格上昇分の30%を吸収
  • 残りの70%は価格引き上げによって消費者に転嫁される
たしあげるとちょっと計算が合わないが、コストのほぼ全部を米国企業か消費者が被るということだ。また、忘れてはいけないのが、関税は「税」なので、その分政府の財布は潤っているということだ。


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|百害あって…


FRBは、自身の掲げるインフレ目標(2%)を超過した分(the overshoot)の多くは、トランプ関税に関連していると考えている。さらに、この関税による影響だが、アメリカが他国と交渉して合意した結果として関税が引き下げられたり、はたまたトランプさんの思いつきで又引き上がったりで、影響を見極めルコとが難しいのだ。

昨年Fedは0.75%幅の利下げを行った。物価の見通しをこれほど不確実にしたことによって、トランプ関税はFedがさらなる利下げを行う判断を難しくしている(complicated their ability to cut interest ratres)と言える。


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もっとも、この「アメリカ人への転嫁率」はだんだんと落ち着いていっているらしい。今回のNYFedの報告書によれば、転嫁率は昨年秋には92%に和らぎ、11月には86%に落ち着いたそうだ。

この報告書がNY支店ではあるが中央銀行から出たあたり、やはり政権への「恨み節」だろうか‥

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