CNN要約|アメリカ版「移民と雇用」の不都合な真実|サクッと読める英文ビジネスニュース

Why Trump’s immigration crackdown isn’t boosting hiring|CNN|Feb 13, 2026



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On the surface, the Trump administration’s bet on immigration and jobs seems like simple math: 
「表面上(on the surface)、トランプ政権が考える『移民と雇用の関係』は単純な計算(simple math)だ」

アメリカに限らず、移民排斥や過度な自国民ファーストを掲げる国は、どこだって「単純な計算」しかしてないだろう。

すなわち、「国内から外国人労働者が排除されれば、雇い主はその欠員を埋めるために、自国の労働者に頼らざるを得なくなる」という理屈だ。

今回紹介する記事は、現実にアメリカで起きつつある、そのような「単純な計算」に従った労働市場の末路を示している。

ぜひ全文を読んで欲しい。


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|とんだ計算違い

But as immigrants left the workforce, the unemployment rate for native-born Americans didn’t fall. 
In fact, the rate jumped to 4.7% in January from 4.1% the year before, according to the latest jobs report. That not only exceeds the overall unemployment rate of 4.3%, but also the 4.6% rate for foreign-born workers.
アメリカで現実に起きていることは、「計算」の真逆の状況だ。

この一年間、アメリカの労働者が直面しているのは、賃金伸び率の鈍化、求人数の減少、失業率の上昇の最強コンボだ。

昨年、米国内で働く移民のうち20万人から100万人以上が就労を停止した。その背景には、トランプ政権が不法移民の強制送還を強化し、不法入国者を捜索するために至る所で一斉摘発を実施したという事情
がある。摘発を恐れて人々は外出すらしなくなったとされている。


ところが、移民が労働力から外れても、自国生まれのアメリカ人(native-born Americans)の失業率は下がらなかった。

それどころか、失業率は今年1月まで4.7%へと上昇している。驚くのは、この数字は、アメリカ全体の失業率(4.3%)だけでなく、外国生まれの労働者(foreign-born workers)の失業率(4.6%)さえも上回っているとのことだ。

もちろん、それには当然理由があるのだが、今になって考えれば当然のことばかりだ;


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|縮小する「需要」

“As net migration goes down and as deportations from the interior go up, you’re not just losing workers, you’re also losing people on the demand side,” Veuger told CNN. 
“You’re losing customers of businesses that hire workers.”
当然ながら、100万人もの人を国外へ排除することは、その分労働者が減少すると同時に、その労働者たちが生産した商品やサービスを購入する層が減少することも意味する。

不法移民だろうが腹は減るし髪は伸びる。仕事をなくした100万人以上の移民が生活を切り詰めれば、その分経済は減速するだろう。

つまりアメリカは、強制送還によって単に生産人口を失うだけでなく、需要側の人口(people on the demand side)も失っていたことになる。


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|「やりたがらない」仕事

“Immigrants are willing and able to do jobs that the overwhelming majority of our native-born population are simply not willing to do,” he said.
日本でも事情は同じだろうが、自国生まれの労働者がたとえ失業中でも飛びつくことのない労働は現実に存在する。いわゆる3K系の仕事だろう。

「移民は、自国生まれの人口の圧倒的多数が単純に『やりたがらない(simply not willing to do)』仕事を、意欲を持ってこなすことができる」というのが調査機関の指摘だ。実は、こういう仕事がいわゆる「エッセンシャル・ワーク」だったりする。

例として挙げられているのが「農業」。調査機関の分析では、アメリカの2023年の農業従事者のうち、約4分の1は不法滞在の移民だったそうだ。

日本だって、技能実習生の力に頼らなければ農業は回らないと言われている。実際、田舎のJR線なんて、土日は東南アジア系の人でいっぱいで、国際色豊かなもんだ。

そういう若者達は、営業日は農作業、週末にイオンやダイソーで買物をする「需要側」の人達でもあるのだ。


ところが、その「大卒」程度の仕事、別にお前じゃなくても回るから、とうのがアメリカの現実のようだ。

注目なのが、連邦準備制度理事会(FRB)の地域経済報告(通称ベージュブック)が紹介した内容だ。その中で、「あるITサービス企業が採用を『一時停止』し、代わりにAIの活用を検討している」との事例をボストン連銀が紹介したそうだ。

ここ数ヶ月でアマゾンは二度にわたる大規模レイオフを実施した。もちろん、いわゆる「AIウォッシング」と言われている、企業が大規模人員整理の理由をAIのせいにする動きも多少はあっただろう。ただし、いわゆるホワイトカラーの仕事が「切られている」のは現実だのようだ。

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“It’s about a mixture of preferences, skills and advanced education among the native-born population that works against oversimplified ideas about creating artificial scarcity via labor supply that automatically preferences domestic-born workers,”
とにかく、今のアメリカでは、『労働供給を人為的に制限すれば自動的に国内出身者が優先される』という単純化された構図はもはや通用しなくなった。

自国生まれの人々(the native-born population)は、その嗜好(preferences)、スキル、教育が高すぎるが故に、「エッセンシャル」な仕事はできなくなった。

そんな「やりたがらない」仕事をしてくれていた外国人は去り始めた。

日本の外国人政策も、どうか長い目での検討を…

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