アメリカでも…住宅投資は銭失い|CNBC|サクッと読める英文ビジネスニュース





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A home is most Americans’ single largest investment. The returns are losing ground.
アメリカでも「住宅所有者は投資で損をしている(homeowners are losing out on their investment)」そうだ。

ついにアメリカの住宅バブルが崩壊か?と思いきや、必ずしもそうではないらしい。

では何が起こっているかというと「リターンが目減りしている(The returns are losing ground)」ということだそうだ。

住宅も投資対象と見るのが普通の国。「目減り」をどうやって図るかについて、CNBCは興味深い視点を伝えている。

ぜひ全文を読んで欲しい。


もっとも、上昇ペースは鈍化して(they’re weakening)はいるが、まだ下落してはいない。それよりも重要なのは、アメリカ全体の物価上昇率と比べて、住宅もそれぐらい上がっているかどうかということだ。

アメリカの現在のインフレ率は3%。つまり、1.5%の上昇にとどまっている住宅は、実質的な資産価値ベースでは4か月連続で減少していることになる。

ちなみに、日本の実質賃金は2025年1-8月でずっと前年同月比マイナスだ(2025年8月は前年比 ▲1.4%)。つまり、給料の上昇は物価の上昇に負けており、同じ労働への対価は実質ベースでは目減りしている、というのはよく報道されている話だ。


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住宅の話に戻すと、アメリカの住宅の資産価値も実質で見る。同じ運用をするなら、インフレに負ける資産で運用するのは賢いやり方ではない。

日本の場合はどうだろうか。

2025年現在、日本の住宅価格は物価上昇率を上回るペースで上昇している。

全国平均の住宅地価は前年比で約2.1%の上昇に対し、消費者物価指数(CPI)の上昇率は同期間で約2.1%なので、辛うじてプラスの投資になっているそうだ。もっとも、都市部では東京都が+5.7%といった高い伸びを記録しており、投資妙味は都市と地方で格差があるようだが


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|金利高で家の価値が沈んでいく…

Much of that is due to stubbornly high mortgage rates, which stagnated over the summer, when much of this index was measured. (The index is a three-month running average.) Rates have since declined, but not by a lot. The average rate on the 30-year fixed mortgage started June at just below 7% and fell to 6.5% by the end of August, according to Mortgage News Daily. It is now at 6.19%. 
“Mortgage rates remaining above 6.5% continue to weigh on buyer demand, even during what should be the busy summer season. The combination of high financing costs and prices that remain near record highs has limited transaction activity,” wrote Nicholas Godec, head of fixed income tradables and commodities at S&P Dow Jones Indices, in a news release.

何でこんな状況になっているかというと、夏の間に高止まりした住宅ローン金利(stubbornly high mortgage rates, which stagnated over the summer)である、と本記事は伝える。金利負担が重すぎて、家を買おうという人が減ってしまったということだ。

記事によれば、アメリカの30年住宅ローンの固定金利は現在6.19%。6月初めには7%弱だった。

ピークよりは下がったとはいえ、金利が高い借金への抵抗感はグッと上がる。特に住宅のような「一生の買い物」に関しては、金利高が購入需要を露骨に抑制する効果があるわけだ。

ちなみに日本の場合、AIの回答によると2.6%〜4.3%台の幅で設定されているそうだから、日米の差は顕著だ。インフレ率より安い金利でローンを貸すと銀行にとっては実質金利マイナスになる(貸すだけ銀行は損をする)。その場合、住宅価格がインフレ率に合わせて上昇していれば、借主の勝ちだ(純粋に投資としてみた場合だが)。

果たして日本において、実質金利を意識してローンを組む人はどれだけいるだろうか?


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つい数か月前までは、価格高騰であはれどアメリカの住宅市場は大丈夫といった雰囲気ではあったのだが。

アメリカ人にとっても最大の投資対象である住宅。果たして潮目は変わってくるだろうか?


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