The Guardian要約|AIが言う「君クビだから」 |サクッと読める英文ビジネスニュース
US companies accused of ‘AI washing’ in citing artificial intelligence for job losses|The Guardian|2026.02.08
* * *
In short, the CEOs are allegedly engaged in “AI-washing”.
「〇〇ウォッシング」という言葉がある。
例えば、少し前によく言われていた、企業による「グリーンウォッシング」なんかが例だ。企業が「エコ」を標榜しつつも製造工程で大量のCO2を出している、ことを意味する。
この「ウォッシング」という言い方。もともとは「粉飾(ホワイトウォッシング)」という言葉から派生したそうで、「実態が伴っていないのに、うわべだけ良く見せかけて欺くこと」を指す。
日本語だと「なんちゃって◯◯」に近い概念だろうか。
今回紹介する記事、最近ではアメリカの大企業のCEOが『なんちゃってAI』に手を染めている疑惑について伝えているが、その背景は「エコ」よりも闇が深そうだ。
ぜひ全文を読んで欲しい。
* * *
|「AI化」が迫る人員整理
大規模な人員整理をする場合、まともな会社ならその理由を説明する。
米国では2025年、5万4,000件以上のレイオフ(一時解雇)について、「AI」がその理由とされた。
その中に含まれるAmazon。昨年10月に1万4,000人の削減を行ったばかりだが、年明け1月に同社はさらに1万6,000人の従業員を解雇した。二つを合わせると、わずか4カ月足らずで3万人が削減対象になったことになる。
* * *
Amazonの担当者が説明した人員削減の理由はこうだ。
AIはインターネット以来の革新的な技術(the most transformative technology we’ve seen since the internet)なので、企業はよりスリムな組織にして(organized more leanly)、かつてないほど迅速にイノベーションを起こす必要がある、そうだ。
とはいえ、本当に3万人も削減しなければAmazonでもAI時代で勝負できないのだろうか?
* * *
|使える「理由」
But the reason for such layoffs is often actually financial, according to a January report from the market research firm Forrester. The company projects that only 6% of US jobs will be automated by 2030.
ところがである。本記事に出てくる調査会社が見るには、これらの企業の人員整理の実際の理由は「財務上(financial)」だとのことだ。
「財務上の理由」というのはつまり、「コスト(人件費)を削減して利益率と株価を上げるため」ということで、要はリストラだ。
この調査会社によれば、2030年までに自動化される米国の仕事は全体のわずか6%にとどまるらしい。つまり、「AIだから人員整理が必要」という主張は、省人化できる分を相当「盛っている」ということになる。
「AIウォッシング」とはこのように、AIの脅威を企業側が都合よく利用することを指す。
* * *
|言えない「理由」
But there are benefits to attributing layoffs to AI even if that is not the case.
なぜ企業は「AI」を人員削減の理由にするのか。
それは、AIのせいにするメリットが「財務上」の他にもあるからだ。次の例が分かりやすい。
* * *
実はAmazonはトランプをキレさせるところだった。
何のことかというと、以前、トランプ関税のせいで製品がどれほど上昇したかをAmazonが表示する計画だと報道された時、ホワイトハウスから「敵対的で政治的な行為(hostile and political act)」と非難された件だ。
Amazonはその後「そんな計画は実施しない」と弁解したが、現に関税による価格上昇は消費者に転嫁しない限り自分が被らなければならない。つまり、リストラが必要になる。
とはいえ、トランプ関税のせいでリストラしますなんても言えない。そこで便利なのが、人員削減の理由は『AIによる効率化』だと言ってしまうことなのだ。
* * *
An employee laid off by Amazon in October described herself as a “heavy user of AI”.
10月にAmazonを解雇されたある従業員は、自身を「AIのヘビーユーザー」だったと語った。
その従業員によれば、自分が解雇されたのは「AIのおかげで自分の仕事は経験の浅い若手(a more junior person)でもできるようになった」かららしい。
経験が浅いということは、賃金も低くて済むことを意味する。「AIは革新的」って、実は「革新的なリストラツールだから」ということだったりして…
*****
