CNN解説|反故にされたか?ブルーカラーとの約束|サクッと読める英文ビジネスニュース
Trump promised a blue-collar jobs boom. The opposite is happening|CNN|2025.12.18
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“We’re going to have a manufacturing boom,”「製造業のブーム(a manufacturing boom)を起こす」
トランプ氏が昨年9月の大統領選キャンペーン中、激戦州ジョージアで語ったコメントだ。
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President Donald Trump promised voters in 2024 that if they returned him to the White House, his policies would deliver a blue-collar jobs boom.
And yet as his first calendar year in office winds down, that blue-collar jobs boom has yet to arrive.トランプ氏が再びホワイトハウスに戻れば、ブルーカラーの雇用ブームが訪れる(deliver a blue-collar jobs boom)約束だった。
「エネルギーを大量に消費する産業」を呼び込む政策は「何百万、何千万ものブルーカラーの仕事」を生み出すはずだった。
トランプ第二期政権の一年が終わりに近づく中、そのブルーカラー雇用ブームはまだ訪れていない(has yet to arrive)。
トランプ第二期政権の一年が終わりに近づく中、そのブルーカラー雇用ブームはまだ訪れていない(has yet to arrive)。
今回紹介するCNNの記事はこの件について伝えている。
ぜひ全文を読んで欲しい。
ぜひ全文を読んで欲しい。
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|「青襟」と呼ばれる人達
The latest jobs report from the Bureau of Labor Statistics, released Tuesday, shows that most sectors traditionally considered blue collar have been shrinking headcount.
Even manufacturing, the industry the president’s tariffs are designed to boost, is cutting jobs. Manufacturing employment fell by 5,000 in November to the lowest level since March 2022 during the rebound from Covid-19.「blue collar(ブルーカラー=青い襟)」と呼ばれる労働者は、一般的には機械操作やインフラ建設など、肉体労働や技能職の人々を指す。事務職などの頭脳労働者とされる「ホワイトカラー(白い襟)」の対義語とされ、現場で働く作業員が汚れの目立ちにくい青い襟の作業服を着用していたことに由来する言葉だ。
そのブルーカラーの雇用。ブームが起こるどころか実態は逆だ。
先週発表された米労働統計局(BLS)の最新の雇用報告によれば、伝統的にブルーカラーと見なされる殆どの業種で人員が減少している(have been shrinking headcount)。
トランプ氏の関税で後押しされるはずだった製造業(manufacturing)については、7か月連続の雇用減だ。アメリカがコロナ禍後に景気回復し始めた2022年3月以来の水準にまで落ちた。
そもそもトランプ関税も、7月に成立させた税制・歳出削減法「One Big Beautiful Bill」も、「経済を解き放ち、ブルーカラーのブームをもたらす」ためだった。
何がまずかったのだろうか?
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|そんなに待てません
Although high tariffs on US imports are designed to reshore manufacturing jobs to America, that can take time - if it occurs at all.
“Reshoring doesn’t happen overnight. It doesn’t even happen in six or seven months. It takes several years,” said Michael Reid, senior US economist at RBC.「製造業の国内回帰(Reshoring)には時間がかかる」
これが答えだ。
米国の輸入品への高関税、つまり輸入品をわざと高くするのは、製造業を国内回帰させる、つまり「アメリカで作った方が安い」状態になるのを狙ってのことだった。
トランプ関税が打ち出されたころにも散々言われていたことではあるが、この国内回帰には「6~7か月でもなく、数年かかる」のが専門家の見解だ。
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Uncertainty over trade policy and rising prices on imports that blue-collar workers use to make goods are hurting demand for workers.そうやって数年待っている間に、肝心な今の仕事が細っていく。
貿易政策に不確実性があると(Uncertainty over trade policy)企業は設備投資などを決められない。他方で、製品製造に必要な輸入品の価格は関税で上昇していく。
そうなると企業業績は不安定になってくる。結果として、労働需要が押し下がる(hurting demand for workers)。
そうなると企業業績は不安定になってくる。結果として、労働需要が押し下がる(hurting demand for workers)。
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“When input costs go up, one of the easiest things to do is to cut labor,” said Reid.「原材料コストが上がると、最も簡単な対応策の一つは人員削減だ」らしい。
確かに、川下への価格転嫁が難しい場合、切るのは「人」しかないということか。
考えてみると、この状況は別にアメリカに限らないのではないか。
日本のスーパーがどんどんセルフレジになっている。「人不足」対策と言われるが、案外「原材料コスト上昇」対策の結果が実際のところなのかもしれない。
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