AIバブルの終焉、やはり歴史は繰り返す?|fortune|サクッと読める英文ビジネスニュース

Everyone’s wondering if, and when, the AI bubble will pop. Here’s what went down 25 years ago that ultimately burst the dot-com boom|fortune|2025.09.28




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The comparison between today’s artificial intelligence frenzy and the dot-com bubble of the late 1990s has become impossible to ignore.
「今日の人工知能(AI)ブームと1990年代後半のドットコム・バブルとの比較は、もはや無視できないほど顕著になっている」、そうだ。

訳すと余計に訳わからない言い方だが、要は「歴史は繰り返すのか?」ということだ。

AI企業の評価額は数千億ドルに達し、2025年だけで新たに数十人の億万長者が誕生。
テック大手はデータセンターに前例のない巨額の資金を投入。

この宴、2000年と同じ状況なのか。9月28日付のfortuneの記事はそんな問いに対して示唆を与得る。

興味深いのでぜひ全文を読んでほしい。


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|ドットコムバブルの根本的な問題

But the underlying problem ran much deeper: Most dot-com companies had fundamentally flawed business models. Commerce One reached a $21 billion valuation despite minimal revenue. TheGlobe.com, founded by two Cornell students with $15,000 in startup capital, saw its stock price jump 606% on its first day of trading to $63.50, despite having no revenue beyond venture funding.
2000年3月に崩壊したドットコムドットコム・バブル。

その崩壊のきっかけとして本記事は、① 99~00年にかけての米連邦準備制度(FRB)による利上げ、② 2000年3月に日本で始まった景気後退と世界的な市場不安、とを挙げる。

①によりリスキーな投資の魅力は薄れ(安全な債券で高い利回りが得られる)、②によって、慎重になった投資家はインターネット企業の天文学的な評価額を再評価するようになった。

金利上昇と経済不安のダブルパンチを以て、「2000年の完璧な嵐(The perfect storm of 2000)」がドットコムバブル崩壊をもたらしたのだ、と説明する。

もっとも、これらはきっかけでしかない。
当時も指摘されていたが、上の引用が示すように、根本的な問題があった。即ち、多くのドットコム企業は、そもそもビジネスモデルに欠陥があった(Most dot-com companies had fundamentally flawed business models)のだ。

ほとんど収益がないにもかかわらず、インターネット関連企業というだけで市場から過大な評価を受けていた。

記事が指摘するのは、ドットコム崩壊前のインフラ過剰投資(the massive infrastructure overinvestment)で、これが、今日のAIブームに最も類似している点だとする。

ドットコムバブル時、通信会社は米国内に8,000万マイル以上の光ファイバーケーブルを敷設した。これは明らかにインターネットの利用の実際の増加ペースから見て過剰だったそうだ。

今回は…というと、本記事が紹介するスタンフォード大学の調査によれば、世界の企業による2024年のAI投資は2,523億ドルに達したが、これは2014年の水準の13倍(!)だ。アメリカのテック大手──Amazon、Google、Meta、Microsoft──は、今年だけで過去最高の3,200億ドルの設備投資を行うと表明しており、その多くがAIインフラに向けられている。


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Yet, crucial differences exist. Unlike many dot-com companies that had no revenue, major AI players are generating substantial income.
ただ、本記事は昔と今の「重要な違い(crucial differences)」についても指摘している。

即ち、多くのドットコム企業が収益ゼロだったのに対し、現在の主要AI企業は実際に大きな収益を上げているのが大きな違いなのだ。例えば、AIに特化しているMicrosoftのAzureクラウドサービス、前年比39%増で年間売上高は860億ドル規模になった。ちゃんと収益はあげているのだ。

試練とは、企業の評価が実際の業績と釣り合っていない(couldn’t justify their valuations with actual business results)ことだ。今日のAIブームでも状況は同じとのことだ。

2000年のバブル崩壊時に散々言われたことだが、クリックの多さが企業の価値とされたのは、期待先行以外の何物でもなかった。

企業の評価は飽くまでキャッシュフローや収益性(cash flow and profitability)といった伝統的メジャーで測られるべき、と本記事はまとめている。


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Are we in a phase where investors as a whole are overexcited about AI? My opinion is yes,” Altman said in August.
「AIに対して投資家全体が過度に興奮している段階にあるか? 私の意見は『イエス』だ」

OpenAIのCEO、サム・アルトマンのコメントだ。ChatGPTをわずか2年前に公開したにもかかわらず、同社の評価額が約5,000億ドルに達していることをこう言った。

審判の日の後、まだ立っている会社はどれか…?

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