消えた100万人の雇用者|CNBC|サクッと読める英文ビジネスニュース

Job growth revised down by 911,000 through March, signaling economy on shakier footing than realized|CNBC|2025.09.09




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“Today, the BLS released the largest downward revision on record proving that President Trump was right: Biden’s economy was a disaster and the BLS is broken,” 
「バイデンの経済は惨状であり、BLSは機能不全だ」

ホワイトハウス報道官の声明だ。
BLSとはアメリカ労働統計局(BLS)のことで、今回同局が公表した雇用統計について▲100万人もの下方修正があったことに対するコメントだ。

先月トランプ大統領はBLSの局長であるエリカ・マッケンターファー氏を解任したばかりだ。

解雇の理由は同じく統計がらみで、先月公表された7月雇用統計が予想を大きく下回ったこと、さらに、5、6月の統計が大幅に下方修正されたことを指す。この5、6月の二月分の雇用数の修正は合計で約▲25.8万人、トランプ氏はこれを「政治的に操作された統計」と断罪した。マッケンターファー局長がバイデン政権の任命者だったこともある。

今回はその比ではない。雇用者数の増加分は従来の発表より▲91.1万人も少なかったことが明らかになったが、これは統計史上過去最大の下方修正とされている。

この件について、9月9日付のCNBC記事が伝えている。

ぜひ全文を読んでほしい。


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|統計、ぶれすぎじゃない?

Annual revisions to nonfarm payrolls data for the year prior to March 2025 showed a drop of 911,000 from the initial estimates, according to a preliminary report from the Bureau of Labor Statistics. The total revision was on the high end of Wall Street expectations, which ranged from a low around 600,000 to as many as a million.
2025年3月までの1年間の雇用者数(非農業部門)は、当初の推計から91.1万人の下方修正。
これはウォール街が予想していた60万人〜100万人減の最悪に近い数字だ。

2002年以来の最大の下方修正で、月平均すると、当初報告は実際より7万6,000人「過大」計上されていたことになる。

何でこんなにぶれるのかをAIに聞いたところ、以下のような事情のようだ;
Here’s a concise summary of why BLS employment data gets revised by large margins:
  • Initial estimates rely on incomplete data:  Only about 60–70% of employers respond by the first deadline, so BLS uses models to estimate the rest—later responses often change the picture significantly.
  • Annual benchmark revisions:  BLS compares survey data with more comprehensive administrative records (QCEW), leading to large adjustments—sometimes hundreds of thousands of jobs.
  • Falling response rates and seasonal adjustments: Lower participation and complex seasonal patterns (e.g. school hiring) increase uncertainty and the likelihood of substantial revisions.

不完全なデータに基づく初期推計(統計モデルを一部使用)、
より網羅的な行政記録と照合して修正、回答率の低下で推計自体の不確実性が増す…と、数十万単位で修正されるのは性質上そういうものらしい。

「これを政治的に操作」とするのは、言いがかり以外の何物でもない。もちろん、統計自体に要改善点があるといえばそうだろう。

ぶれる統計といえば、日本のGDP統計の修正もそうで、速報値と確報値の間で大きな乖離が起こることがある。2019年7〜9月期の実質GDPが +0.2%から +1.8%へ上方修正されたのがその例で、+1.6ポイントの上方修正は異例の規模で、市場関係者の混乱を招いた。これを政治的操作と言った人はいなかっただろう。

「このデータに依存する金融市場、企業、政策立案者、家庭のために、信頼と信用を回復する新たなリーダーシップが必要だ」

まともにはなったものの、「バイデンの経済は惨状だった」で止めておけばよかった。
先のBLS局長解雇を正当化するために、政治の問題に絡め続けなければならないのだろう。


ただし大事なのは、だからといって今がすごくよくなっているかというと、そうではない点だ。ここにあるように、「雇用創出の鈍化は、所得の伸びも鈍かったことを意味し、春以降の政策不確実性や経済減速が始まる前からその兆候があった。」ということだ。


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それで今はというと、「政策不確実性」の真っ只中にアメリカと全世界はある。このことがFRBが利下げサイクルを再開する後押しとなるのは確実だろう。

果たして、こちらの方が政治的意図的によるものだったのと思うのは、勘ぐり過ぎだろうか…


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