ファミリービジネスとしてのトランプ・フォン(と剥がれていく金メッキ)|Financial Times|2025.06.29

Trump Mobile dials down its 'Made in the USA' phone vow | 2025.06.29

Trump group plans mobile phone service and golden $499 handset|2025.06.17




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6月中旬にリリースを発表した「トランプ」ブランドのスマホ。
「T1 Mobile」というそうで、提供するのはトランプ大統領の息子が経営する会社だ。

この T1 フォン、早くも現実路線に「しれっと」トーンダウン(dial down)していることを、6月29日付のFT記事「Trump Mobile dials down its 'Made in the USA' phone vowが伝えている。

ぜひ全文を読んでほしい。


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|「トランプフォン」は金メッキ…

この金ピカのスマホ、価格は 499ドルで iPhone16 の一番安価モデル(599ドル)より安い。元々は全てメイドインアメリカ(all-American service)にすることを全面に出していた。

トランプ大統領は先日、iPhone の製造委託先を中国からインドに変更しようとしているアップルを批判し、それなら25%の関税をかけると脅したところだ。自身の T1 フォンは、それへの当てつけのように国産ブランドであることを強調した。

ところが当初発表の翌週、トランプフォンの HP での記述は「アメリカの価値観に基づくデザイン」とうまく誤魔化そうとするようなものにすり替わっていたとのことだ。日本の腕時計メーカーの製品によくある「ジャパンデザイン(組み立ては中国)」のようなものだろうか。


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国産ブランドに固執した(少なくとも発表時には)ことが自らの首を絞める。

制度上、メイドイン US と表示するためには「全て又は実質的に全て」の部品がアメリカで製造されている必要がある。スマートフォンの部品の 80%は中国での製造によるという現実を考えると、当初の打ち出しが無謀であったという他ない。

T1フォンについてはその他にも色々と仕様や条件が変更されている。出荷時期は当初の「8月」から「今年の後半(later this year)」に、スクリーンの大きさは「6.78インチ」から「6.25インチ」にしれっと変わっているそうだ。こういう変更はどうせネット民にバレるので、逆にこっそりやろうとしない方がよかっただろうに…


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|プレジデント・アズ・ファミリービジネス

そのくせ、契約条件はちゃっかり消費者に優しくない方に改悪されている。

T 1フォンを予約購入する場合、通信プランに同時申し込みをしなければならないように条件が変更された。この月々47.45ドルという、日本でいえば大手キャリア並みのプランを提供するのは Liberty Mobile Wirelessというフロリダの会社だが、この会社が所在するのはマイアミのトランプタワーの中ということだ。

そもそも、国の政策が産む需要に見事にハマるようなビジネスを大統領一族の会社が行っているというのは、利益相反(conflicts of interest)と指摘されても仕方がない。モバイル以外にも、トランプ二期が決まって価格が爆上がりした暗号資産(cryptcurrency)を手がけるWorld Liberty Financialという会社がトランプ一族のものというのは周知の事実だ。


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こういった利益相反を大統領自身が気にしているかといえば、おそらくそんなことは微塵もないだろう。なぜなら、トランプファミリー関連のビジネスは何百にも及ぶ(hundereds of the US president's ventures)ぐらい、思い切って「副業」をしているからだ。上にあるように、それらの副業の中には、「トランプ大統領が認めた唯一の聖書」のロイヤリティ収入なんかも含まれているとのことらしい。

さすがアメリカというべきか… 我田引水もここまで派手だと逆に気持ち良いということだろうか。

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