米国株は急回復。楽観する個人、プロは懐疑的｜Financial Times｜2025.05.15

FT｜Wall Street's sudden rebound catches investors 'offside'｜2025.05.15

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The furious rally in US assets sparked by the tariff détente between Washington and Beijing has caught big investors off guard, colliding with widespread bets against the dollar and Wall Street stocks.

米株式相場が戻ってきている。「furious（猛烈な）」急回復だ。

今週、米中が90日間の関税引き下げに合意したことを受け、米株価指数S&P500は４％上昇し、今年のロスを帳消しにした。

きっかけは明らか。今週12日に、米中の両国が90日間の期間限定で相互の関税率を大幅に引き下げることに合意したことを受けてだ。「デタント（detente）」とは、国家間の緊張緩和を指すフランス語の外交用語だ。

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｜株価反発で慌てる人達

The rush of money back into stocks and the dollar has stung large asset managers and other institutional investors, who were cautiously positioned on US assets on fears of a dramatic economic slowdown and broader worries over US policy makings.

株価が戻って慌てたのがアセマネや機関投資家などのプロ達だ。彼らは、トランプ政権の政策の不確実性ゆえに米国株もドルも下がる方に賭けていたからだ。

ショートポジション（空売り）と言って、資産（たとえば株式や通貨など）の価格が下がることを見越して利益を得ようとする取引手法がある。これは基本的には、対象の資産を借りて売却し、下がった後に買い戻して差額を利益にする取引なので、逆に株や通貨の価格が上がると買い戻し価格が高くなるため損失を生じてしまう。つまり、今週の米国株の上がり相場ではプロ達には損失が発生しているわけだ。

... retail investors might have benefited from buying the dip, snapping up stocks throughout most of April while professional investors held off.

記事が伝えているのが、この反発の恩恵を受けたのは個人投資家であるということだ。それは売買のデータで分かる。株はアマチュア投資家が主に売買をする通常の取引時間帯で活発に取引されている半面、機関投資家によるデリバティブ取引が主な夜間は低調だったということだ。

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｜状況は別に変わっていない

"My guess is that this is a temporary relief for the dollar and the tariff rates will be high enough to have a atagflationary impact on the US eonomy,"

"For the dollar to weaken again, we need the US data to weaken - we believe it will.""

銀行のストラテジストのコメントだ。いわゆる金融ムラの人たちは、このような状況に対して"too optimistic"にならないように警告している。というのも、アメリカの基本的な政策の方向性は別に変わっておらず、関税の影響による物価上昇コースは変わっていないと見ているからだ。

An environment of about 10 per cent tariffs on the rest of the world and 30 per cent on China was something the corporate sector "can deal with", he added, but should still mean a slowdown in the US growth.

別の銀行の専門家の見解だ。このままお互い下がった関税税率で決着したとしても、アメリカの景気減速の方向性は変わらないと見ている。

今週発表された米消費者物価指数は2.3％で、上昇率は3か月連続で鈍化、市場予想を下回ったが。ここでも、専門家の意見では「関税の影響はこれから」だった。

そう、アメリカの新政策の影響は全て、「これから」なのだ。

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