我が社の事業はビットコインを買いまくること!|Financial Times |2025.02.05

FT | MicroStrategy copycats hoard bitcoins to revive share prices




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業界支援の方向性を明確にした米新政権誕生を受け、史上最高値の10.9万ドルをつけたビットコイン。

2月5日付 Financial Times, MicroStrategy copycats hoard bitcoins to revive share prices では、爆上げを見せる暗号資産(crypto)を財務資産(corporate treasury)として保有することで、自社の株価が上昇することを期待している上場企業が増えている、ということを伝えている。

これらの動きは、米ソフトウェアの企業のMicroStrategyという会社の成功を模倣(copycat)したもの、と本記事は伝えているが、
特筆すべきは、これらの企業の例として日本の上場企業も言及されていることだ。

当社に関するニュースは、日系だと暗号資産系のニュースサイト以外はお目にかからない。日本で起こっている自分の知らなかった動きについて、英字ビジネス紙から教えられるという経験は、英字新聞を読まずには得られないものと言えるだろう。


それでは一緒にポイントを読んでいこう:

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| その財務戦略、いいね!


から始まる本記事の第二パラ以降は基礎事実だ。これに続く4パラぐらいまでにかけて、本記事の主題を簡潔に伝えている。


一記事が長い英字新聞をストレスなく読みたいなら、とりあえず頭からその記事を読み進め、内容の大枠が分かった所で立ち止まり、もう十分と思ったら他の記事に移ればいい。その記事の内容をさらに知りたければそのまま読み進めればよい。

内容としては、冒頭に書いた、暗号資産を現預金の代わりの準備資産として保有する戦略を、製薬会社や広告代理店などの上場企業(listed companies)78社が真似ている、ということを伝えている。


では、真似されているMicroStrategy社は奏功しているのかというと;

...In the past six months it share price gains have even outstripped those of cryptocurrency,... 

 を含むパラにあるように、当社は保有している暗号資産の価格以上に株価が上昇した、というのだから、それいただき!となるのは自然だろう。


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|日本の上場企業だってやってるし

また、記事の中盤にあるパラでは;
として日本のある上場会社について伝えているので、日本関連ニュースとして精読しておきたい。Wikipediaによると、同社は東証スタンダード上場の、ホテル運営会社などを傘下にもつ持株会社だ。

このパラが伝えているところによれば、同社の株価は2,000%以上も上昇、ビットコインをさらに購入すべく資金調達を行っているとのことだ。


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| どんな会社がそんなことするの?

FTのような信頼できるメディアでは、多方面からのコメントを必ず伝えてくれる。例えば;
"Companies that have seen their stock struggle...  ...have opted to follow MicroStrategy's lead,"

とする投資会社のアナリストの指摘、それから、同じアナリストが記事の最後のあたりで指摘している;
を含むパラ全体は、本記事を読む醍醐味みたいなものと言えるので、両方のパラグラフの間を読むと結局全部の記事を通読することになるが、是非とも読んでおきたい。

主な内容としては、本業で投資家にアピールできない「ゾンビ」企業が、株価対策のために"bitcoin treasury holdings" 戦略をとることによって、その企業はこれまでその本業をやっていた企業では実質的になくなっている、という点を伝えている。


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ただし、最終パラグラフで指摘されているが、その戦略自体も;
The strategy also relies on bitcoin retaining its value. If it crashes, executives admit the fallout could be destabilsing.

としているように、クリプト市場頼みの危ういものでしかない、ということのようだ。


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