【FT要約】「アジアは世界最大のゾンビ量産地だ」IMFが警告する金融危機の火種と、中国で炸裂する過剰投資のバグ|英文ビジネスニュース日本語解説








この記事の論点:

アジアが世界最大の「ゾンビ企業」の量産地に!IMFが警告する次なる金融危機の引き金

— アジア10カ国で企業債務の21.4%がゾンビ化している深刻な実態と、日本と中国の「ゾンビ発生メカニズム」の違いを解説

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"Asia has become the world's largest producer of zombie groups, the IMF has warned,…"

「アジアは、世界最大の『ゾンビ企業(zombie groups)』の量産地と化している」

米ワシントンDCに本部を置く国際機関、IMF(国際通貨基金)が大真面目にこんなショッキングな警告を発した。

企業のゾンビ化は英語で「zombification」と呼ばれる。映画のように街中にゾンビが溢れ返っているわけではない。ビジネスの世界におけるゾンビとは、「本業で稼ぐ力がないのに、銀行の延命措置によって死にきれず生き残っている借金まみれの企業」のことだ。

今回紹介する記事は、アジアで爆発的に増え続けるこのゾンビ企業たちが、次のグローバル金融危機の引き金になりかねないという緊迫した裏事情を伝えている。

ぜひ元記事も読んでみてほしい。

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|企業借金の「2割」がゾンビ行き? アジアを蝕む死屍累々の惨状

The IMF found that across 10 Asian economies - including China, India, Thailand, Indonesia and South Korea - zombie companies accounted for 21.4 per cent of outstanding corporate debt in the region, up from under 10 per cent in 2008.

IMFの調査によると、中国、インド、タイ、インドネシア、韓国などを含むアジア10カ国・地域において、企業債務(corporate debt)残高のなんと21.4%がゾンビ企業に流れているという。

金を貸す銀行側から見れば、融資残高の5分の1以上が「いつ崩壊してもおかしくない死に体」に注ぎ込まれている計算だ。2008年のリーマン・ショック当時でさえこの比率は10%未満だったのだから、リスクの跳ね上がり方は異常と言える。

ちなみにIMFの定義では、「本業の稼ぎで支払利息すら3年以上払えていない企業」をゾンビと呼ぶ。

なぜそんな企業が生き永らえられるのか。理由は簡単で、銀行が返済猶予(モラトリアム)を与えて無理やり支えているからだ。しかし、延命された企業が復活できずに倒産すれば、その焦げ付いた融資は銀行の巨額損失となり、最終的には銀行自体の連鎖破綻――つまり金融危機へと発展する。

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|ゾンビ化の「大先輩」は日本…「失われた数十年」という血の教訓

The extension of thousands of companies beyond their natural economic life is seen by analysts as the root cause of Japan's "lost decades" of economic stagnation from the 1990s onwards and the country's acute non-performing loan crisis of the early 2000s.

とはいえ、「企業のゾンビ化」と聞いて真っ先に顔を赤らめるべきは我々日本である。

1990年代のバブル崩壊以降、日本を襲った「失われた数十年」の停滞や、2000年代初頭を揺るがした重篤な不良債権危機。その根本原因(the root cause)こそが、まさにこの「ゾンビ企業の無意味な延命」だった。

本来なら市場から退場すべき企業を税金や銀行の都合で生かし続けた結果、おカネもヒトも生産性の低い部門にフタをされる形で停滞した。

当時の日本にとっては「失業者を一気に増やさないためのセーフティネット」という側面もあったのだが、引き換えに国全体の経済成長を何十年もドブに捨てることになったのだ。

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|世界平均の2倍! 爆発的にゾンビを増やす中国の末期症状

"This rising share of corporate debt is increasingly concentrated in firms that cannot service it," the IMF said. While the IMF did not highlight specific country risks, recent analysis suggests that corporate zombification is building up rapidly in China.

そして今、世界で最も危険な「ゾンビ発生源」として指弾されているのが中国だ。

立場上、特定国を面と向かって批判できないIMFだが、「増え続ける企業債務は、返済能力のない企業へ急速に集中している」と述べ、中国の病状が深刻であることを暗に告発している。

数字は残酷だ。中国では、利息すら払えない状態に陥っている企業の割合が世界平均の約2倍に達している。世界平均が2018年以降6%前後で横ばいなのに対し、中国は2019年の約6%から直近では12.5%へと倍増。まさに凄まじい勢いでゾンビが大量発生しているのだ。

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|日本のゾンビは「守り」、中国のゾンビは「攻め」の歪み

State policies favouring companies in advanced industries such as semiconductors had supported their rapid development but not their profitability, the study's authors said.

「半導体などの先端産業を優遇する国策は急速な技術開発を後押ししたが、収益性の改善(黒字化)にはつながらなかった」

専門家はこう分析する。実は、かつての日本と今の中国では、ゾンビが生まれるメカニズムが全く異なる。

日本のゾンビ(1990年代〜)は言わば『守り』の失策だった。 バブル崩壊後、不良債権の発覚を恐れた銀行の「倒産隠し」や、雇用を守るための延命措置から生まれた。他方で、中国のゾンビは、『攻め』の歪みから生じたものだ。 ハイテク覇権を狙う国家主導の過剰投資と、身の丈に合わない急拡大路線から生まれたと言える。

国家が札束を叩きつけて先端技術の規模を強引に膨らませることはできても、「その企業が自力で稼いで利益を出せるか」まで国は保証してくれない。国策というドーピングの果てに誕生したのが、現在の中国型ゾンビ企業なのだ。

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もし中国でゾンビ企業の連鎖倒産が始まり、金融システムが麻痺すれば、当然その波及は日本の株式市場にまで及ぶ。

アジアに巣食う大量のゾンビたちはこのまま静かに処理されるのか、それとも世界を巻き込む金融危機の引き金となるのか――これこそ経済版『ワールドワーZ』の世界だろう。

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