CNN要約|トランプ流「意趣返し」は突然に|サクッと読める英文ビジネスニュース

Jamie Dimon is learning what happens when a CEO dares to defy Trump|CNN|2026.01.24




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Dimon’s public critique breached what has become an unofficial, often uneasy, agreement among the leaders of Corporate America:  
Stay out of the Trump’s way, even when his policies directly affect the bottom line.
「トランプ氏の邪魔はしない(Stay out of the Trump’s way)。たとえ彼のやりたいことが利益に直接影響する場合であってもだ」

このことは、アメリカの企業リーダーたちの間では「非公式で、しばしば不安定(unofficial, often uneasy)な合意」だった。

この暗黙の合意を破ったCEOが案の定、地球上で最も権力を持つ公人から仕返しを受けた。

そのCEOとは、アメリカ最大の銀行を率いるJamie Dimon氏だ。

今回紹介する記事は、国家権力から「意趣返し」されるリスクを抱えるアメリカのビジネス界について伝えている。

ぜひ全文を読んで欲しい。

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|今さらの「デバンキング」

On Thursday, the notoriously litigious president sued JPMorgan Chase and its CEO, Jamie Dimon, alleging the bank improperly “debanked” Trump after the Jan. 6, 2021, assault on the US Capitol. Trump is seeking $5 billion in damages.
木曜日、トランプ大統領はJPモルガン・チェースとそのCEOであるジェイミー・ダイモンを提訴した。CNNはトランプ氏を「訴訟好きで知られる(notoriously litigious)」大統領と揶揄する。

訴えの理由はトランプ氏に対する「デバンキング(debanked)」だ。

Debankとは、「銀行」のbankに「否定・除去」のde-がついて、「銀行から追い出す」を意味し、銀行のサービスを受けられなくすることを指す。この「de」は、毒抜きの「『デ』トックス」の『デ』と同じ使い方だ。

「debanked」なんてあった?と思うかもしれないが、いつの話かというと、2021年1月にあった米連邦議会議事堂襲撃事件後、JPモルガンがトランプ氏やその関連企業の口座を突然閉鎖した時のことだ。トランプ氏側はこれが「政治的差別」だったとして、50億ドル(約7,900億円)の損害賠償を求めているというわけだ。


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|意趣返し

But, perhaps not coincidentally, its filing in Florida state court came one day after Dimon told a room full of powerful people at the World Economic Forum in Davos, Switzerland, that Trump’s proposal to slash credit card interest rates roughly in half would be “an economic disaster.”
そんな5年前の話…なのだが、トランプ氏は以前からこの訴訟をちらつかせていた。今回の訴訟提起が「意趣返し」と言われるのは、提起されたタイミングにある。

スイスのスキーリゾートに世界の政財界VIPが集まる「ダボス会議(世界経済フォーラム(WEF))」というのがある。
今年も開催され、片山財務大臣なども参加していた。

ダイモン氏が提訴されたのは、同氏がこのダボス会議で、トランプ氏の「クレジットカード金利を約半分に引き下げる」という提案を「経済的災厄(“an economic disaster”)」と断じた翌日だった。

このタイミングの良さ、おそらく偶然ではない(perhaps not coincidentally)。


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|「レッドライン」でも屈する者達

When Trump last spring rolled out steep global tariffs that threatened to sap corporate profits, executives stayed quiet.  
Even when he started explicitly meddling in private companies, carving out a cut of revenue for the government from companies like Nvidia and Intel, no one spoke out.
先日トランプ氏が打ち出した、クレジットカード金利に10%の上限を設けるという提案。これはウォール街にとっては、さすがに一線を越えるものだった。

JPモルガンのダイモン氏に限らず、アメリカの銀行幹部たちは、この提案に対して決算説明会の場などで批判的な声明をしていた。

ただ、ダイモン氏による「経済的災厄」発言は、色々な意味で注目を浴び過ぎた。つまり、「ウォール街で最も影響力のある人物」が、「権威のあるダボス会議」「直接的に」批判をしたのがまずかった。

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そういえばであるが、一連のトランプ関税騒動など、トランプ氏の「ご乱心」に対して、これまでアメリカの企業幹部は沈黙を守っていた(executives stayed quiet)。

輸入品や原材料に乗せられた関税は転嫁できなければ自社にとって減益要因になる(sap corporate profits)と分かっていてもだ。

さらには、エヌビディアなど、特定の半導体を中国へ輸出する条件として、売上の一部を米国政府に納付する(carving out a cut of revenue for the government)という異例の合意を結んだ例があったが、この「上納金」に対しても会社側から公然の批判はなかった。


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Corporate America comes by its trepidation honestly.  
Since Trump’s second term began a year ago, he and his administration have investigated, sued or brought charges against an array of perceived enemies, including media companies like CBS, the New York Times, the Wall Street Journal. 

アメリカ企業がこれほどまで戦々恐々(trepidation)としているのには、正当な理由がある。

というのも、この一年、トランプ政権は二期目が始まって以来、トランプ氏が敵とみなす陣営は次々と『粛清』されてきたのだ。

主なものだけで以下だ:
  • NVIDIA:中国向けAIチップ輸出の対価要求:売上の15%〜25%を政府に納付することで合意
  • Apple:中国依存からの脱却、米国内での製造強制:米国内へ6,000億ドルの投資計画を発表
  • CBS(メディア):選挙特番の編集が「不当な世論操作」と主張:1,600万ドルの和解金を支払い解決
  • NYタイムズ:資産形成や世論調査に関する報道が「名誉毀損」:150億ドルの賠償を求める大規模な訴訟が継続中
  • WSJ(メディア): 政権批判的な論調へのSNS等を通じた威嚇
  • エクソンモービル:ベネズエラ等の資源戦略への協力拒否に対し「投資しなければ将来の利権排除」と警告

そう。ジャイアンには逆らおうとするだけ無駄なのだ。


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Smile and nod, stay in your lane, don’t become a target.
「笑顔で頷き、自分の本分を守り、標的になるのを避ける」

トランプ政権二期目において、ウォール街のトップバンカーが守るべきルールだそうだ。

絶対に嫌わてはいけない人が、そこにはいる…!?


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